2019年8月 6日 (火)

IメッセージとYOUメッセージの違い(25)

Iメッセージとは、あなたが感じたそのままの気持ちを言葉で伝える方法です。

主語を「私」にして、私の気持ちを表現するので、「Iメッセージ」といいます。
Iメッセージのほうが、伝えたいことを相手の心に届けやすくなります。

さらに、自分を「否定されている、決めつけられている」という感じが和らぎます。

その反対が、Youメッセージです。

IメッセージとYouメッセージの例を見てみましょう。

「どうして(あなたは)できないの?(Youメッセージ)」より、「(私は)あなたができると思うよ(Iメッセージ)」のほうが否定された響きがありませんね。

「そんな言いかたをすると、(あなたは)嫌われるよ(Youメッセージ)」より、「(私は)そんな言い方は好きではないよ(Iメッセージ)」のほうが決めつけていませんね

このように、YouメッセージよりIメッセージのほうが和らいだ表現になります。


Youメッセージは、どうしても「自分を否定されている、責められている、押し付けられている」というマイナスの言葉の響きを与えてしまい、伝えたいことを受け取ってもらいにくくなります。

何故なら、私たちは「受け入れられる、認められる、承認される」と安心するからです。

たとえば、「髪型が変わったね」「洋服が素敵ね」と言われてもうれしいものです。
「名前を覚えてくれている、誕生日を覚えてくれている」ことでさえ嬉しいですね。

学校でいやなことがあったり、いじめにあって家に帰ったときに、
「どうしたの?何かつらそうだね」
「なにか我慢しているような気がするけれど、どうしたの」と、子どもの様子をIメッセージで伝えると、子どもは「存在を認めてもらえた、大切に思われている」と心が軽くなる思いがするでしょう。

ニュースなどでいじめられて自殺をする子どもの悲しい事件を聞くことがありますが、ひょっとしてこんな声掛けができたら、悲しい事件は起こらないかもしれませんね。

2019年7月18日 (木)

コミュニケーションのサイクルを知る!(24)

ここではコミュニケーションのサイクル1~5を見てみましょう。

  1. まず、子どもの心に耳を傾けましょう。
    「傾聴」という言葉がありますよね。十四のいろいろな心に、耳を傾けると書きます。

    まずは、子どもの心を感じて、そのままの子どもの心を受け入れることが大切です。
    そのときのあいづちには、少しコツがあります。

    「でもね、そうではなくて…」と話を否定する接続詞を使うのではなく、「そうだね、そうそう…」と話を肯定する接続詞を使うことです。そのほうが、子どもは「自分を受け入れてもらえている」と安心します。そして、話しやすくなります。

  2. つぎに、子どもの話を聞いて、「私はこう思った」と自分の率直な感想を言ってもいいと思います。

    Iメッセージと言います。

    ここで、アドバイス・批判・否定・命令はやめましょう。この時点で多感な子どもは、話をやめて口を閉ざしてしまいます。

    自分が的外れなことを言おうとしている気がしたら、「もし違っていたら気にしないでね」と、あらかじめ断ってから話をしてもいいですね。

  3. ここまでがクリアできたら、つぎに、質問をします。

    質問には2パターンがあります。「イエス、ノー」あるいは3者択一などの相手が簡単に答えられる質問です。

    クローズド・クエスチョンと言います。子どもが答えやすい質問です。

  4. もう1つの質問は、「どうだったの?」「どうしたいの?」など、「どう」がつく質問です。

    この質問に答えるには、子どもは考える必要があります。考えることにより、自分の中の無意識の答えをひきだす効果があります。

    オープン・クエスチョンといいます。

  5. 最後は、励まし、ほめる、ねぎらいの言葉をかけましょう。

    例として、子どもが学校から戻ってきたときを見てみましょう。

    「お帰りなさい」⇒「何か楽しそうだね(Iメッセージ)」⇒「学校で何か楽しいことがあったの?(イエス・ノー)」⇒「どんな楽しいことだったの?(どう付き質問)」⇒「よく〇〇できたね(励ましほめる)」

    こちらのほうが学校でストレスがあっても、会話をすることで心が軽くなるでしょう。気分転換もできて何も言わなくても、「宿題をやろう」という気が起こるかもしれません。

    反対に…
    お帰りなさい⇒「今日の学校はどうだった?」⇒「おやつをたべたら宿題をやりなさいよ(命令)」

    この命令で、子どもは話をする気がなくなるどころか、宿題も当分する気が起こらなくなるでしょう

    これらのコミュニケーションは、子供との会話以外でも、夫や職場でも通用する方法です。

    試してみて下さい!



2019年7月 4日 (木)

プラスとマイナスの循環の生き方を知る!(23)

人間の生き方を2つに大別すると、プラスの循環とマイナスの循環があります。

プラスの循環とは、プラス思考で前向きに行動していける生き方です。
マイナスの循環とは、自分に自信が持てずに、マイナス思考の現状維持で生きていく生き方です。

例を学校の逆上がりの授業で見てみましょう。

先生が「逆上がりをします」と言うと、プラスの循環で生きている子どもは、まず最初の自己対話で、「やった~! 自分ならきっとできるに違いない!」と思います。自信があるので強く土を蹴ることができ、さか上がりに成功します。

「ほら、やっぱりできた」と自信を強めて、さらにいろいろなことにチャレンジができます。
ポジティブな生き方ですね。

一方、マイナスの循環で生きている子どもはどうでしょうか。
先生が同じように「逆上がりをします」と言うと、マイナスの循環で生きている子どもの自己対話は、「いやだな~、できなかったらどうしよう・・・」と自信がありません。ですから、強く土を蹴ることができずに、失敗してしまいます。

「やっぱりできなかった」とマイナスの感情が働き、ますます消極的に生きていく生き方です。

あなたやあなたの周りの人は、どちらの生き方でしょうか。

私は、いろいろなセミナーで、この2つの生き方のどちらか1つに、手を挙げてもらっています。
すると、だいたい半分ずつに分かれます。

生まれたときは、「見たい・知りたい」という好奇心や欲求が満ちあふれていたにもかかわらず、年齢を重ねると、なぜ半分もの人がマイナスの循環が生じてしまうのでしょうか。

これまで経験してきたいろいろな原因が考えられます。
しかし、そのひとつには、親のペースと子どものペースの違いにも原因がありそうです。

親のペースが子どものペースより強いと、子どもの好奇心や欲求(want)はつぶれてしまいがちです。
さらに、4つの「ひ(評価、否定、非難、比較)」を繰り返すと、自分に自信がなくなります。
覇気のないおとなしい子どもになったり、「これを言ったら叱られる」と思うと、本心を隠してウソを言ったりします。

では、プラスの循環に入れるにはどうしたらいいのでしょうか。
それは、子どものもともと持っている好奇心や欲求を壊さないことです。

子どもは、大人のように効率的に生活することも早く行動することもできません。
それなのに、私たちはどうしても親のペースで、命令や指示をして思い通りに動かそうとしてしまいます。

「早く、早く」と急がせて動かしたほうが、1日をスムーズに終えることができるからです。
そして、私達は、親のペースを優先するあまり、つい子どもの要求をつぶしてしまいがちです。

では、どうしたら子どものペースを尊重しながら、1日を終えることができるのでしょうか。
子どもの自己コントロールをはぐくみながら、考えさせながら動かすにはどうしたらいいのでしょうか。

それは、子どもとのコミュニケーションにコツがありそうです。

次項では、コミュニケーションのサイクルについて見てみましょう。

2019年6月28日 (金)

親のペースと子どものペースは違う③(22)

子どもは好奇心や欲求のかたまりです。
ハイハイをするようになると、なんでもなめたりさわったりして何なのかを確かめようとします。

その後、コトバを話せるようになると、「これなに?あれなに?」と何でも知りたがります。
「見たい、聞きたい、知りたい」という好奇心や欲求が旺盛です。

さらに、第1反抗期ごろから、「自分で、自分で」と自分でしたがります。これが子どものペースです。

しかし、この第1反抗期を過ぎるころから、親のペースが強くなります。
この頃から、人として、日本人として、箸をつかって食事をしたり、脱ぎ着を1人でしたり…と自分で生活ができるようにしつけが始まります。

「〇〇しなければいけない(must)」
「〇〇すべき(should)
「〇〇させる(make)」などの親のペースが始まります。

さらに、親の願いや期待の「〇〇になってほしい(wish)」もあります。

幼児教室、スイミング、運動会の徒競走、ピアノなどのお稽古事が始まると、どうしても人より少しでも上手にできることを求めがちです。

親の期待が高すぎたり、教育熱心だと、ますます親の願い(wish)は強くなります。
子どもが親の期待に応えると、さらに期待されて…と、親の期待は際限がありません。

これが、ありがちな親のペースです。

子どもの好奇心や欲求のペースより親のペースが強いと、どうなるでしょうか。

親から「〇〇させられる(make)」意識が強いと、子どもの好奇心や欲求はだんだん薄くなりがちです。
そして、子どもは親のひいたレールの上をストレスをためながら育っていく可能性があります。

親の期待に反すると、「どうしてできないの(can`t)」と、子どもを「評価、否定、非難、比較」の4つの「ひ」で接してしまうでしょう。

では、子どものペースを上回る親のペースで言い続けたら、将来どうなるでしょうか。

次ペーシで見てみましょう。

2019年6月13日 (木)

良いコミュニケーションは受容と共感が大事!(21)

親子のコミュニケーションは、子どもの心を受けとめ、親の心を伝える伝達手段です。
(文字で書くことは簡単ですが、実践はとても難しいですね。)

親からの一方的な伝達は、コミュニケーションとは言いません。

まずは、日頃から子どもの気持ちを感じているかどうか、反省してみましょう。

さらに、子どもの存在をまるごと受け入れている態度が子どもに伝わっているかどうか、気をつけてみましょう。
これは、子どもが「〇〇だったら」という条件付きではなく、「どんな自分でも無条件に受けとめてくれる」と、子どもに伝わっているかどうかです。

「自分のことをわかってくれる」と思うと、子どもは親のことを信頼します。

親だけが「わかっている」つもりでは片手落ちです。
子どもがそう思ってくれているかどうかです。

親子の間で信頼があるとコミュニケーションがスムーズです。

このように「信頼」は人と人との間で、とても大切なものです。

子どもがハイハイやよちよち歩きをして、自分で好きなところに行けるようになると、大好きな母親への後追いが始まりますね。
歩けないうちは、泣いて母親を呼んでいたわけです。
この時期は、父親ではダメなのです。
なにしろ10か月の間、ずっと母親の心音を聞いてきたのです。
自分を守ってくれる1番信頼できる人が母親なのです。

命がけでハイハイをして後追いをするといっても過言ではありません。

こんなに大好きなお母さんなのに、第2反抗期をすぎるようになると、「お母さん」から「おばさん」に変わり、「ウザイ」と言われたりします。

もちろん、第2反抗期からは親離れの時期ですが、これまで後追いまでした大好きな母親から、命令され、否定され、批判をされ続けていると、「自分のことをわかってくれない」という不信感に変わったり、「親はどうせ自分のことをわかってくれない」と断定すると、心のシャッターを閉めてしまいます。

この状態になると、いくら親が話をしたいと思っても、決して心のシャッターを開けようとはしてくれません。

このように、子どもから信頼を得なければ、心を開いての会話はできにくいものです。
「受け止めてくれる」、「わかってくれる」という信頼感は、人間関係を築くときの大切な要素なのです。

この信頼を得るためのコミュニケーションには、少しテクニックがあります。

それは、子どものペースにあわすことです。ペーシングといいます。

子どもの目線と同じ位置にしゃがんだり、子どもの呼吸にあわしながら話を聞くと、子どもの心の響きや感情を受けとめやすくなります。

あいづちも「そうだね。なるほどね」と、うなづきながら肯定的な言葉で聞くと、「わかってもらえている」と安心します。

言葉を繰り返すことも効果的です。

反対に、「でもね」「そうではなくて」「ちがうんだよ」などの言葉は、否定された気がします。
たとえば、転んで泣いている子どもに、「痛かったね」と共感すれば、「わかってくれている」と泣き止むところを、「危ないから早く立ちなさい」と言うと、どうして自分の痛さがわかってくれないのかと、抗議してさらに泣き続けてしまいます。

さらに、学校の宿題が半分ほど終わった時に、「まだ半分しか宿題が終わっていないの」より、「もう半分も終わったんだね」のほうが、「残りの宿題も頑張ってやろう」とやる気がでます。

このように、同じことでも、親から肯定的に前向きに受け止められるほうが、子どもはポジティブに行動できます。

これは職場でも同じです。
自分のことを理解してくれそうな人には好感が持て、信頼をはぐくむことができます。やる気も出ます。

反対に、自分のことを「否定、批判、評価、非難する」人には信頼が持てません。
警戒すらしてしまいますよね。

2019年5月 6日 (月)

子育ては笑顔の明るい家庭から!(20)

子育てで最も大切なことは、家庭の雰囲気です。

家庭は、親と子、夫と妻、兄弟姉妹からなりたっています。
このメンバーが家庭の核です。

社会に出るといろいろな人とのつきあいが始まりますが、子どもにとっては、いつも一緒にいる家族が初めての人間関係です。
その人間関係の基本が家族なのです。そして難しい関係でもあります。

大人になっても、きょうだいケンカ、親子ケンカ、夫婦ケンカは日常茶飯事。
毎日のように、家族のいざこざの事件がニュースになっているくらいです。

これは、人間はいつも一緒にいる身近な人には、欠点が気になり厳しく評価をしてしまう傾向があるからです。
「欠点をなおしてほしい」との思いから、つい指摘してしまい、そこから関係が悪化することもよくあります。

このように、家族とのつき合い方は、基本でもあり、そして最も難しい関係でもあります。

ですから、きょうだいケンカは人間関係の練習の場と言っても過言ではありません。
食べ物の取り合い、おもちゃの取り合い、親の愛情の取り合い…など、第1人称のぶつかりです。

そこから人の気持ちの練習になります。

「○○ちゃんはこうしたかったんだよね」と、子どもの気持ちをわかってあげましょう。

「だけど、○○ちゃんもこうしたかったんだよ」と、子どもの気持ちを代弁してあげましょう。


すぐに効果は難しいですが、相手にも感情があるということが、少しづつわかるようになります。

家族の仲がいいと、親族とも仲良くでき、社会に出てもいろいろな人間関係が上手にできるようになります。
家庭は社会のトレーニング場。人間関係の練習の場と言っても過言ではありません。

身近な人が慕ってくれると、目上の人、目下の人、友人も慕ってくれます。
反対に身近な人が助けてくれないくらいなら、誰も助けてくれないといってもいいでしょう。
困った時に家族や親族がしらんぷりでは悲惨です。

春風が萬物を温め育てるように、家庭が、穏やかでのびのびとした和気につつまれていると、子どもはすくすくと成長します。

この雰囲気を「浩然の気を養う」といいます。
「浩然の気」とは、天地にみなぎる宇宙のエネルギーのことで、おだやかなのびのびとした和気のことをいいます。

学校から「ただいま」と家に帰ると、ほっと安らぐ場であり、ぐっすり睡眠をとることができ、翌朝元気に「行ってきます」と外に出ていく…。家庭がそんなエネルギーを養ってくれる場だったら、なんと素晴らしいことでしょう。

家に帰ると、怖いお母さんが待っていて、「勉強しなさい」とがみがみ言われて居場所も安らぎもないのでは、のびのびと成長することもできません。

明るい家庭、笑いや笑顔に満ち溢れた家庭をつくることは、子育てでもっとも大切です。

2019年5月 4日 (土)

きょうだいの愛情の配分に気をつけよう!(19)

きょうだいの愛情の配分に関しては、育児書にあまり書かれていません。
つい気がつかないで、育ててしまいがちです。

しかし、親からの愛情の多い少ないのバランスが偏っていると、大人になっても、心の傷になっていることがあります。
相続の時でさえ、「お兄ちゃんは大事に可愛がられて育ったからそうなのよ…」と争いの種になることもしばしばです。

たとえば・・・
最初に生まれた子は、待望の赤ちゃんですからとてもかわいいものです。現在70代以降の方は、まだ家意識が強い時代です。長男は跡取り息子ですから、大事に育てられたものです。

2子が男の子だと、分家になるのですから、愛情や手のかけようは長男ほどではありません。次に女の子が産まれたら初めての女の子ということもあり可愛がられ、真ん中の男の子は淋しい思いをしがちです。

また、女の子が続いてうまれ、やっと待望の男の子が生まれたときの男の子はかわいがられがちです。

2人きょうだいでも、第1子が男、第2子が女の順番だと、最初の子は初めての育児でわからないことだらけ。手をかけて育てられます。物心ついたころから、「いつもお兄ちゃんばかりで私には顔も向けてもらえなかった」と回想する女性もいます。

これらは、よくありがちな例ですが、「どの子もかわいい」と思いながら、このように親の愛情の配分が不公平だと、つらい思いをして育つのは子どもです。

可愛いがられて育った子とそうではない子とでは、顔をみればわかるくらいのきょうだいもいます。

お母さんやお父さんは、きょうだいの愛情の配分のバランスが大丈夫なのか、子どもの成長に悪い影響を与えていないか、気をつけて頂きたいと思います。

2019年4月25日 (木)

あなたは慈愛が強いタイプ?それとも義愛が強いタイプ?(18)

愛情には2つのタイプがあります。

慈愛と義愛です。

慈愛は、お母さんの愛で女脳です。
見返りを求めない献身的な愛で、右脳タイプといえます。

義愛は、お父さんの愛で男脳です。
物事の道理や正邪を論理的に伝えようとし、心を鍛えてくれます。左脳タイプといえます。

慈愛だけでは甘えと依存が強くなり、義愛だけでは厳しすぎてリラックスできません。

慈愛と義愛は車の両輪です。
子育ては、両方が必要なのです。

最近は女性が男性化して、男性が女性化していると言われます。
ですから、女性が慈愛で、男性が義愛との区別は適切ではありません。
慈愛と義愛のどちらが強い傾向にあるのかです。

あなたは慈愛と義愛のどちらが強いタイプですか?

慈愛が強い人は、右脳が強く子どものペースにあわすことが自然とできるため、子育てが苦痛ではないでしょう。
しかし、「甘やかしすぎない、ほめすぎない、子どもの我慢心を育てる」ように気をつけることが大切です。

一方、義愛が強い人は、左脳が強く論理的に物事を考えられる人です。
自分のペースで強引に子育てを進める傾向があるために、「強く言い過ぎない、叱りすぎない、完璧を求めない」ように気をつけることが大切です。

「良い・悪い」ではありません。
ご自分のタイプなのです。 

夫婦のどちらも義愛(左脳)が強いタイプの場合、夫婦が同じこと言うために、子どもにとっては逃げ道がなくなり辛い思いをすることがあります。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」ですね。

一方が義愛タイプなら一方は慈愛タイプ、一方が慈愛タイプなら一方は義愛タイプというように、夫婦のバランスがとれていると理想的です。

江戸期の儒学者である貝原益軒が書いた「和俗養生訓」は、益軒が81歳のときに著述した本です。
日本で初めて体系的にまとめられた育児書です。

それを読むと、江戸期には、慈愛深い母親が多かったせいか、慈愛が過ぎてわがままな子どもにならないように注意してある箇所がたくさんでてきます。

興味のある方は、1度読まれたらいいと思います。

2019年4月16日 (火)

「ほめる3・教える6・叱る1」のバランス!(17)

誰でも「褒められたい、認められたい、すごいねと言ってもらいたい」と思っています。

とくに親から「認められる、褒められる」と、とても嬉しいものです。
反対に、「認めてもらえない、叱られる」と、とても悲しいものです。

小さい頃は善悪がわかりません。
親が褒めることが善で、叱られることが悪です。
ですから、やって良いことは褒めましょう。やってはいけないことは叱りましょう。

その基準は、(13)の「5つの基準」です。

では、どう子どもに伝えたらいいのでしょうか。

まず、「ほめる」コツから見てみましょう。

とにかく、できるようになったことは褒めましょう。
その時に、少しコツがあります。

「すごいね、天才だね」と、子どもを褒めるのではありません。
「〇〇ができるようになったね」、「がまんができたね」と、できたことを具体的に褒めましょう。

すると、次もそうしようと思います。

「ほめすぎる、おだてすぎる」と効果は薄くなります。
そして、ほめ過ぎると、今度は「できなくてほめられかったらどうしよう」などと、子どものほうが不安になります。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」ですね。

つぎは、「教える」コツです。

「5つの基準」をもとに、いけないことは「なぜそうしてはいけないのか」の理由を短く言ってあげましょう。
「注意する、さとす」と言ってもいいかもしれません。

そのときのコツがあります。
くどくどと理由を言いすぎないことです。

2~3歳の頃の子どもは、まだ難しいことを言ってもわかりません。
くどくど言い過ぎると、今度は、「やりたいことをやると、いけないことがたくさんあるんだ」と、「これはやってもいいの?」と聞いてから行動をするようになったり、「どうして?どうして?」と質問攻めにされて、親のほうが疲れてしまいます。

いけないことの理由を短く言うだけでいいのです。

あるいは、「ママはこう思うけどどう思う?」と子どもに考えさせるような質問もいいですね。

3歳を過ぎるようになると、難しいことがわかるようになり、質問をすると答えを出すために自分で考えるようになります。

「こうしたい、ああしたい。だけど、お母さんがこう言っている…」と自問自答しながら自己コントロールしているうちに、自分で行動選択ができるようになります。

そのためには、自問自答しながら迷っていうあいだは、待ってあげましょう。

子どもは、すぐに親の言う通りにはできません。
時間がかかります。

何回言っても効果がないときもあります。
「何度言ったらわかるの!」と一方的に叱るのではありません。

何回も穏やかに「5つの基準」を繰り返し言うだけでいいのです。

「あたらずといえども、遠からず」です。
「矢がまとに正確に当たらなくても、見当違いの方向には行かない」という意味です。

子どもはすぐにはできません。1度言っただけでは忘れてしまいます。
基準がブレずに何回も言えばいいだけです。

すぐにやめさせたいときもあるでしょう。
そのときには、工夫が大切です。

たとえば、電車の中で騒ぐときは、「目的の駅に着いたらジュースを買おうね」とごほうびを約束したり、滑り台で順番を待てないときは、「押しのけたら危ないでしょう。じゃぁ1回滑ったらお友達に変わろうね」と代替え案を提案したりです。

守れたら「ほめる」という言葉のご褒美をあげましょう。
叱って、言う通りにさせるより効果があります。

叱る時はどんなときでしょうか。

人や子どもの命やケガの心配があるときです。
そのときは、すぐにその行為をやめさせなければいけません。

たとえば、道路を横切っていて危ないときは、サっと子どもを守らなければいけません。
身の危険が迫る時に、説明している時間がありません。
有無を言わせずにその行為をやめさせましょう。

そのためには「叱る」ことが必要です。
叱ることは毒と同じで、1滴でも効き目は十分です。

くどくど叱らないようにしましょう。

そして、叱ったことがその後にできたこときはほめましょう。

誰でもほめられるとモチベーションが上がり、叱られるとモチベーションが下がります。
「叱ってほめる、ほめて叱る」ことはセットです。

山本五十六は、「やってみせ、言ってきかせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」。
二宮尊徳は、「可愛くば、5つ教えて3つ褒め、2つ叱ってよき人となせ」と言っています。

「ほめる・教える・叱る」バランスは、叱る比率がすこし少なくて、「3・6・1」でもいいと思います。

ほめてばかりや叱ってばかりでは、自己コントロールにつながりません。
叱るより、教えることを重視しましょう。

そして・・・
親が手本を見せることも効果的です。

たとえば、親が挨拶をしないのに、子どもに挨拶をさせることは無理というもの。

子どもは親の後ろ姿を見て育ちます。
親の生きる姿勢が子どもに与える影響は、計りしれないものがあります。

2019年4月 3日 (水)

2~3歳ごろから自己コントロールをはぐくむ(16)

1反抗期(23歳ごろ)から第2反抗期(1215歳ごろ)までの10年間が、子育ての悩みが多い時期です。
一筋縄ではいかなくなる時期でもあります。

この頃から「良い心をはぐくむしつけ」を意識しましょう。

「良い心をはぐくむ」と言っても、「良い人に育てる」ことではありません。

人間は、良い心も悪い心も持っています。
そういった「良い心も悪い心も持っている」人間のことがわかることが、まず大前提です。

このように、人間通になることをめざしながら、将来、優れた人格になるように、自分で自分を磨き高めていく「自分づくり」の力をつくることがしつけの目的です。

これが「人格をはぐくむ」と言ったり、「人格教育」とも言います。

親が指示や命令をして、強引にしつけるものではありません。
型にいれるものでもありません。
親のペースで強要してできるものではありません。

「良い心をはぐくむ」には、自分で自分の心を律するコントロール力を身につけることが大切です。

自分で考え、自分で決めて、自分で行動する。
「する・しない」は、自分の中に答えがあるのです。

よく、「自分らしく生きる」「一人一人の花を咲かせる」と言います。
これは、もともと天から与えられた自分の持ち味や能力を、自分でつくっていくことです。

親がつくるのではありません。

では、この自己コントロールをはぐくむにはどうすればいいのでしょうか。

自己コントロールを自動車でたとえると、アクセル(欲求)とブレーキ(我慢)です。

アクセルだけでブレーキがないと、事故をおこしてしまい危険です。
しかし、ブレーキだけだと自動車は動きません。

このアクセルとブレーキのバランスが大切なのです。

最近は、ほしいものを際限なく与えたり、子どもの言うとおりにして我慢をさせないお母さんが多いようです。
アクセルばかりのやりたい放題で我慢ができないと、大きくなって、自分にブレーキがかけられなくなる恐れがあります。

欲望をコントロールできないと、人間ではなくケダモノと同じです。 

しかし、
我慢ばかりだと、本来のいきいきした欲求を抑圧することになります。

我慢を教える前提は、「食べたい、勝ちたい、負けたくない、欲しい…」という欲求があることです。
欲求がないと我慢も教えられません。

我慢という困難は、意志を強くする効果もあります。
意志が強いと、繰り返して物事を身につけることができるようになります。
勉強も同じです。

我慢ができることは、とても大切なことなのです。

このように、欲求と我慢のバランスは、つなひきのようです。
このように、アクセルとブレーキ、欲求と我慢は矛盾しているようです。

この矛盾の中で、その子にあった良きあんばいを見つけるには、子どもの自己コントロールを強く意識しながら接するしかありません。

答えは、子どもの中にあるのです。

大人でも自己コントロールは困難ですね。

たとえば、やせたいと思っても、食べたい欲求に負けて、つい食べてしまいます。
欲求に勝つためには、食べたい欲求を我慢しなければなりません。

このように、自己コントロールは、心の揺れ動く中で、自分を律する我慢の積み重ねの訓練とも言えます。
幼児期から自己コントロールを意識して育てていると、児童期になると、自分で自己コントロールがより容易になります。

今、このコントロール方法がわからない親が多くいます。

褒めたら褒めっぱなし。
我慢をさせたら我慢をさせっぱなしです。

では、欲求を育てながら我慢をさせるにはどうしたらいいのでしょうか。

それが、親の「ほめる、さとす、叱る」のツールです。
次項で、詳しく見てみましょう。

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