2019年6月13日 (木)

良いコミュニケーションは受容と共感が大事!(21)

親子のコミュニケーションは、子どもの心を受けとめ、親の心を伝える伝達手段です。
(文字で書くことは簡単ですが、実践はとても難しいですね。)

親からの一方的な伝達は、コミュニケーションとは言いません。

まずは、日頃から子どもの気持ちを感じているかどうか、反省してみましょう。

さらに、子どもの存在をまるごと受け入れている態度が子どもに伝わっているかどうか、気をつけてみましょう。
これは、子どもが「〇〇だったら」という条件付きではなく、「どんな自分でも無条件に受けとめてくれる」と、子どもに伝わっているかどうかです。

「自分のことをわかってくれる」と思うと、子どもは親のことを信頼します。

親だけが「わかっている」つもりでは片手落ちです。
子どもがそう思ってくれているかどうかです。

親子の間で信頼があるとコミュニケーションがスムーズです。

このように「信頼」は人と人との間で、とても大切なものです。

子どもがハイハイやよちよち歩きをして、自分で好きなところに行けるようになると、大好きな母親への後追いが始まりますね。
歩けないうちは、泣いて母親を呼んでいたわけです。
この時期は、父親ではダメなのです。
なにしろ10か月の間、ずっと母親の心音を聞いてきたのです。
自分を守ってくれる1番信頼できる人が母親なのです。

命がけでハイハイをして後追いをするといっても過言ではありません。

こんなに大好きなお母さんなのに、第2反抗期をすぎるようになると、「お母さん」から「おばさん」に変わり、「ウザイ」と言われたりします。

もちろん、第2反抗期からは親離れの時期ですが、これまで後追いまでした大好きな母親から、命令され、否定され、批判をされ続けていると、「自分のことをわかってくれない」という不信感に変わったり、「親はどうせ自分のことをわかってくれない」と断定すると、心のシャッターを閉めてしまいます。

この状態になると、いくら親が話をしたいと思っても、決して心のシャッターを開けようとはしてくれません。

このように、子どもから信頼を得なければ、心を開いての会話はできにくいものです。
「受け止めてくれる」、「わかってくれる」という信頼感は、人間関係を築くときの大切な要素なのです。

この信頼を得るためのコミュニケーションには、少しテクニックがあります。

それは、子どものペースにあわすことです。ペーシングといいます。

子どもの目線と同じ位置にしゃがんだり、子どもの呼吸にあわしながら話を聞くと、子どもの心の響きや感情を受けとめやすくなります。

あいづちも「そうだね。なるほどね」と、うなづきながら肯定的な言葉で聞くと、「わかってもらえている」と安心します。

言葉を繰り返すことも効果的です。

反対に、「でもね」「そうではなくて」「ちがうんだよ」などの言葉は、否定された気がします。
たとえば、転んで泣いている子どもに、「痛かったね」と共感すれば、「わかってくれている」と泣き止むところを、「危ないから早く立ちなさい」と言うと、どうして自分の痛さがわかってくれないのかと、抗議してさらに泣き続けてしまいます。

さらに、学校の宿題が半分ほど終わった時に、「まだ半分しか宿題が終わっていないの」より、「もう半分も終わったんだね」のほうが、「残りの宿題も頑張ってやろう」とやる気がでます。

このように、同じことでも、親から肯定的に前向きに受け止められるほうが、子どもはポジティブに行動できます。

これは職場でも同じです。
自分のことを理解してくれそうな人には好感が持て、信頼をはぐくむことができます。やる気も出ます。

反対に、自分のことを「否定、批判、評価、非難する」人には信頼が持てません。
警戒すらしてしまいますよね。

2019年5月 6日 (月)

子育ては笑顔の明るい家庭から!(20)

子育てで最も大切なことは、家庭の雰囲気です。

家庭は、親と子、夫と妻、兄弟姉妹からなりたっています。
このメンバーが家庭の核です。

社会に出るといろいろな人とのつきあいが始まりますが、子どもにとっては、いつも一緒にいる家族が初めての人間関係です。
その人間関係の基本が家族なのです。そして難しい関係でもあります。

大人になっても、きょうだいケンカ、親子ケンカ、夫婦ケンカは日常茶飯事。
毎日のように、家族のいざこざの事件がニュースになっているくらいです。

これは、人間はいつも一緒にいる身近な人には、欠点が気になり厳しく評価をしてしまう傾向があるからです。
「欠点をなおしてほしい」との思いから、つい指摘してしまい、そこから関係が悪化することもよくあります。

このように、家族とのつき合い方は、基本でもあり、そして最も難しい関係でもあります。

ですから、きょうだいケンカは人間関係の練習の場と言っても過言ではありません。
食べ物の取り合い、おもちゃの取り合い、親の愛情の取り合い…など、第1人称のぶつかりです。

そこから人の気持ちの練習になります。

「○○ちゃんはこうしたかったんだよね」と、子どもの気持ちをわかってあげましょう。

「だけど、○○ちゃんもこうしたかったんだよ」と、子どもの気持ちを代弁してあげましょう。


すぐに効果は難しいですが、相手にも感情があるということが、少しづつわかるようになります。

家族の仲がいいと、親族とも仲良くでき、社会に出てもいろいろな人間関係が上手にできるようになります。
家庭は社会のトレーニング場。人間関係の練習の場と言っても過言ではありません。

身近な人が慕ってくれると、目上の人、目下の人、友人も慕ってくれます。
反対に身近な人が助けてくれないくらいなら、誰も助けてくれないといってもいいでしょう。
困った時に家族や親族がしらんぷりでは悲惨です。

春風が萬物を温め育てるように、家庭が、穏やかでのびのびとした和気につつまれていると、子どもはすくすくと成長します。

この雰囲気を「浩然の気を養う」といいます。
「浩然の気」とは、天地にみなぎる宇宙のエネルギーのことで、おだやかなのびのびとした和気のことをいいます。

学校から「ただいま」と家に帰ると、ほっと安らぐ場であり、ぐっすり睡眠をとることができ、翌朝元気に「行ってきます」と外に出ていく…。家庭がそんなエネルギーを養ってくれる場だったら、なんと素晴らしいことでしょう。

家に帰ると、怖いお母さんが待っていて、「勉強しなさい」とがみがみ言われて居場所も安らぎもないのでは、のびのびと成長することもできません。

明るい家庭、笑いや笑顔に満ち溢れた家庭をつくることは、子育てでもっとも大切です。

2019年5月 4日 (土)

きょうだいの愛情の配分に気をつけよう!(19)

きょうだいの愛情の配分に関しては、育児書にあまり書かれていません。
つい気がつかないで、育ててしまいがちです。

しかし、親からの愛情の多い少ないのバランスが偏っていると、大人になっても、心の傷になっていることがあります。
相続の時でさえ、「お兄ちゃんは大事に可愛がられて育ったからそうなのよ…」と争いの種になることもしばしばです。

たとえば・・・
最初に生まれた子は、待望の赤ちゃんですからとてもかわいいものです。現在70代以降の方は、まだ家意識が強い時代です。長男は跡取り息子ですから、大事に育てられたものです。

2子が男の子だと、分家になるのですから、愛情や手のかけようは長男ほどではありません。次に女の子が産まれたら初めての女の子ということもあり可愛がられ、真ん中の男の子は淋しい思いをしがちです。

また、女の子が続いてうまれ、やっと待望の男の子が生まれたときの男の子はかわいがられがちです。

2人きょうだいでも、第1子が男、第2子が女の順番だと、最初の子は初めての育児でわからないことだらけ。手をかけて育てられます。物心ついたころから、「いつもお兄ちゃんばかりで私には顔も向けてもらえなかった」と回想する女性もいます。

これらは、よくありがちな例ですが、「どの子もかわいい」と思いながら、このように親の愛情の配分が不公平だと、つらい思いをして育つのは子どもです。

可愛いがられて育った子とそうではない子とでは、顔をみればわかるくらいのきょうだいもいます。

お母さんやお父さんは、きょうだいの愛情の配分のバランスが大丈夫なのか、子どもの成長に悪い影響を与えていないか、気をつけて頂きたいと思います。

2019年4月25日 (木)

あなたは慈愛が強いタイプ?それとも義愛が強いタイプ?(18)

愛情には2つのタイプがあります。

慈愛と義愛です。

慈愛は、お母さんの愛で女脳です。
見返りを求めない献身的な愛で、右脳タイプといえます。

義愛は、お父さんの愛で男脳です。
物事の道理や正邪を論理的に伝えようとし、心を鍛えてくれます。左脳タイプといえます。

慈愛だけでは甘えと依存が強くなり、義愛だけでは厳しすぎてリラックスできません。

慈愛と義愛は車の両輪です。
子育ては、両方が必要なのです。

最近は女性が男性化して、男性が女性化していると言われます。
ですから、女性が慈愛で、男性が義愛との区別は適切ではありません。
慈愛と義愛のどちらが強い傾向にあるのかです。

あなたは慈愛と義愛のどちらが強いタイプですか?

慈愛が強い人は、右脳が強く子どものペースにあわすことが自然とできるため、子育てが苦痛ではないでしょう。
しかし、「甘やかしすぎない、ほめすぎない、子どもの我慢心を育てる」ように気をつけることが大切です。

一方、義愛が強い人は、左脳が強く論理的に物事を考えられる人です。
自分のペースで強引に子育てを進める傾向があるために、「強く言い過ぎない、叱りすぎない、完璧を求めない」ように気をつけることが大切です。

「良い・悪い」ではありません。
ご自分のタイプなのです。 

夫婦のどちらも義愛(左脳)が強いタイプの場合、夫婦が同じこと言うために、子どもにとっては逃げ道がなくなり辛い思いをすることがあります。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」ですね。

一方が義愛タイプなら一方は慈愛タイプ、一方が慈愛タイプなら一方は義愛タイプというように、夫婦のバランスがとれていると理想的です。

江戸期の儒学者である貝原益軒が書いた「和俗養生訓」は、益軒が81歳のときに著述した本です。
日本で初めて体系的にまとめられた育児書です。

それを読むと、江戸期には、慈愛深い母親が多かったせいか、慈愛が過ぎてわがままな子どもにならないように注意してある箇所がたくさんでてきます。

興味のある方は、1度読まれたらいいと思います。

2019年4月16日 (火)

「ほめる3・教える6・叱る1」のバランス!(17)

誰でも「褒められたい、認められたい、すごいねと言ってもらいたい」と思っています。

とくに親から「認められる、褒められる」と、とても嬉しいものです。
反対に、「認めてもらえない、叱られる」と、とても悲しいものです。

小さい頃は善悪がわかりません。
親が褒めることが善で、叱られることが悪です。
ですから、やって良いことは褒めましょう。やってはいけないことは叱りましょう。

その基準は、(13)の「5つの基準」です。

では、どう子どもに伝えたらいいのでしょうか。

まず、「ほめる」コツから見てみましょう。

とにかく、できるようになったことは褒めましょう。
その時に、少しコツがあります。

「すごいね、天才だね」と、子どもを褒めるのではありません。
「〇〇ができるようになったね」、「がまんができたね」と、できたことを具体的に褒めましょう。

すると、次もそうしようと思います。

「ほめすぎる、おだてすぎる」と効果は薄くなります。
そして、ほめ過ぎると、今度は「できなくてほめられかったらどうしよう」などと、子どものほうが不安になります。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」ですね。

つぎは、「教える」コツです。

「5つの基準」をもとに、いけないことは「なぜそうしてはいけないのか」の理由を短く言ってあげましょう。
「注意する、さとす」と言ってもいいかもしれません。

そのときのコツがあります。
くどくどと理由を言いすぎないことです。

2~3歳の頃の子どもは、まだ難しいことを言ってもわかりません。
くどくど言い過ぎると、今度は、「やりたいことをやると、いけないことがたくさんあるんだ」と、「これはやってもいいの?」と聞いてから行動をするようになったり、「どうして?どうして?」と質問攻めにされて、親のほうが疲れてしまいます。

いけないことの理由を短く言うだけでいいのです。

あるいは、「ママはこう思うけどどう思う?」と子どもに考えさせるような質問もいいですね。

3歳を過ぎるようになると、難しいことがわかるようになり、質問をすると答えを出すために自分で考えるようになります。

「こうしたい、ああしたい。だけど、お母さんがこう言っている…」と自問自答しながら自己コントロールしているうちに、自分で行動選択ができるようになります。

そのためには、自問自答しながら迷っていうあいだは、待ってあげましょう。

子どもは、すぐに親の言う通りにはできません。
時間がかかります。

何回言っても効果がないときもあります。
「何度言ったらわかるの!」と一方的に叱るのではありません。

何回も穏やかに「5つの基準」を繰り返し言うだけでいいのです。

「あたらずといえども、遠からず」です。
「矢がまとに正確に当たらなくても、見当違いの方向には行かない」という意味です。

子どもはすぐにはできません。1度言っただけでは忘れてしまいます。
基準がブレずに何回も言えばいいだけです。

すぐにやめさせたいときもあるでしょう。
そのときには、工夫が大切です。

たとえば、電車の中で騒ぐときは、「目的の駅に着いたらジュースを買おうね」とごほうびを約束したり、滑り台で順番を待てないときは、「押しのけたら危ないでしょう。じゃぁ1回滑ったらお友達に変わろうね」と代替え案を提案したりです。

守れたら「ほめる」という言葉のご褒美をあげましょう。
叱って、言う通りにさせるより効果があります。

叱る時はどんなときでしょうか。

人や子どもの命やケガの心配があるときです。
そのときは、すぐにその行為をやめさせなければいけません。

たとえば、道路を横切っていて危ないときは、サっと子どもを守らなければいけません。
身の危険が迫る時に、説明している時間がありません。
有無を言わせずにその行為をやめさせましょう。

そのためには「叱る」ことが必要です。
叱ることは毒と同じで、1滴でも効き目は十分です。

くどくど叱らないようにしましょう。

そして、叱ったことがその後にできたこときはほめましょう。

誰でもほめられるとモチベーションが上がり、叱られるとモチベーションが下がります。
「叱ってほめる、ほめて叱る」ことはセットです。

山本五十六は、「やってみせ、言ってきかせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」。
二宮尊徳は、「可愛くば、5つ教えて3つ褒め、2つ叱ってよき人となせ」と言っています。

「ほめる・教える・叱る」バランスは、叱る比率がすこし少なくて、「3・6・1」でもいいと思います。

ほめてばかりや叱ってばかりでは、自己コントロールにつながりません。
叱るより、教えることを重視しましょう。

そして・・・
親が手本を見せることも効果的です。

たとえば、親が挨拶をしないのに、子どもに挨拶をさせることは無理というもの。

子どもは親の後ろ姿を見て育ちます。
親の生きる姿勢が子どもに与える影響は、計りしれないものがあります。

2019年4月 3日 (水)

2~3歳ごろから自己コントロールをはぐくむ(16)

1反抗期(23歳ごろ)から第2反抗期(1215歳ごろ)までの10年間が、子育ての悩みが多い時期です。
一筋縄ではいかなくなる時期でもあります。

この頃から「良い心をはぐくむしつけ」を意識しましょう。

「良い心をはぐくむ」と言っても、「良い人に育てる」ことではありません。

人間は、良い心も悪い心も持っています。
そういった「良い心も悪い心も持っている」人間のことがわかることが、まず大前提です。

このように、人間通になることをめざしながら、将来、優れた人格になるように、自分で自分を磨き高めていく「自分づくり」の力をつくることがしつけの目的です。

これが「人格をはぐくむ」と言ったり、「人格教育」とも言います。

親が指示や命令をして、強引にしつけるものではありません。
型にいれるものでもありません。
親のペースで強要してできるものではありません。

「良い心をはぐくむ」には、自分で自分の心を律するコントロール力を身につけることが大切です。

自分で考え、自分で決めて、自分で行動する。
「する・しない」は、自分の中に答えがあるのです。

よく、「自分らしく生きる」「一人一人の花を咲かせる」と言います。
これは、もともと天から与えられた自分の持ち味や能力を、自分でつくっていくことです。

親がつくるのではありません。

では、この自己コントロールをはぐくむにはどうすればいいのでしょうか。

自己コントロールを自動車でたとえると、アクセル(欲求)とブレーキ(我慢)です。

アクセルだけでブレーキがないと、事故をおこしてしまい危険です。
しかし、ブレーキだけだと自動車は動きません。

このアクセルとブレーキのバランスが大切なのです。

最近は、ほしいものを際限なく与えたり、子どもの言うとおりにして我慢をさせないお母さんが多いようです。
アクセルばかりのやりたい放題で我慢ができないと、大きくなって、自分にブレーキがかけられなくなる恐れがあります。

欲望をコントロールできないと、人間ではなくケダモノと同じです。 

しかし、
我慢ばかりだと、本来のいきいきした欲求を抑圧することになります。

我慢を教える前提は、「食べたい、勝ちたい、負けたくない、欲しい…」という欲求があることです。
欲求がないと我慢も教えられません。

我慢という困難は、意志を強くする効果もあります。
意志が強いと、繰り返して物事を身につけることができるようになります。
勉強も同じです。

我慢ができることは、とても大切なことなのです。

このように、欲求と我慢のバランスは、つなひきのようです。
このように、アクセルとブレーキ、欲求と我慢は矛盾しているようです。

この矛盾の中で、その子にあった良きあんばいを見つけるには、子どもの自己コントロールを強く意識しながら接するしかありません。

答えは、子どもの中にあるのです。

大人でも自己コントロールは困難ですね。

たとえば、やせたいと思っても、食べたい欲求に負けて、つい食べてしまいます。
欲求に勝つためには、食べたい欲求を我慢しなければなりません。

このように、自己コントロールは、心の揺れ動く中で、自分を律する我慢の積み重ねの訓練とも言えます。
幼児期から自己コントロールを意識して育てていると、児童期になると、自分で自己コントロールがより容易になります。

今、このコントロール方法がわからない親が多くいます。

褒めたら褒めっぱなし。
我慢をさせたら我慢をさせっぱなしです。

では、欲求を育てながら我慢をさせるにはどうしたらいいのでしょうか。

それが、親の「ほめる、さとす、叱る」のツールです。
次項で、詳しく見てみましょう。

2019年3月18日 (月)

ヤダヤダ期頃には「生活の自立」のサポート(15)

誕生してヤダヤダ期頃までのおもなしつけは、「生活の自立のサポート」です。

子どもは意志と欲求に満ち満ちています。

とくに、第
1反抗期(ヤダヤダ期)に近づくにつれて、欲求が強くなります。
「自分で、自分で」と、なんでも自分でやろうとします。

以前書いたように、第
1反抗期は、人間の命の中にプログラムされているのです。
命からわいてくる要求ですから、危なくない限り、親の忍耐の許す限り、子どもが満足するまで続けさせてあげましょう。

「洋服の脱ぎ着、手を洗う、靴をはく、自分で食べる、椅子に座る、トイレトレーニング…」など、少しでも自分でできるようになったことは、「できたね」とほめてあげましょう。

ほめられると、「できた」ことに自信をもち、つぎのチャレンジにつながります。


しかし、子どもは大人と違って、指先もうまく使えず時間もかかります。やりたくてもうまくできないこともあります。そんなときはできるようになるまで温かく待ってあげましょう。

1回できたはずなのに、次はできないこともあります。できないときは本人もイライラするでしょう。
「できたり…できなかったり…」しながら上手になるのです。

その間、じっと見守ってあげることが大切です。

うまくできずに癇癪がおこったり、あきらめかけたときは、これからが育児の本番です。

どうしたらやる気がでるのかを工夫しましょう。


たとえば、洋服やパジャマのボタンがとめにくそうだったら、大きなボタンに代えたり、おふろに入るのが嫌いだったら、お風呂場に好きなおもちゃを置いて、おふろに行きたくなるように工夫をしましょう。

どんな工夫が効果的かは、ママ友に聞いたり、ネットや育児雑誌に書いてある情報を仕入れるといいですね。

発達の進み方には、個人差があります。
どの子もまっすぐに順調に成長するわけではありません。

進んだり後戻りをしながら成長していきます。

上の子はすぐにできても下の子はできないこともあります。

その子の個人差に応じた工夫をすることが育児のコツです。

 
なかなか難しいのがトイレトレーニングです。
トイレトレーニングは早く始める必要はありません。
おしっこやウンチが「出る」と本人の自覚ができるまで成長してからで十分です。
こればかりは強要してなんとかなるものではありません。

決めるのは子どもです。

「オシッコやウンチはトイレでするものだよ」
と、何回も気長に教えていれば、そのうち、その気になります。
お漏らしをして叱っていると、不安になって遅くなります。

 
「食」に関しても、パクパク食べる子どもと食の細い子どもがいます。
子どもは大人と違って食道も細く、飲み込む能力(嚥下力)も弱く、個人差があります。
同じ年齢でも同じ食物が同じように食べられるとは限りません。

嫌がるものを無理に食べさせる必要はありません。
柔らかく呑み込みやすく薄味のものから始めましょう。

自分の状態は、子ども自身が一番わかっています。

親のおしつけではなく、その子にあった食事の工夫が「できるか・できないか」です。
負担に思わず、楽しみながら工夫をしてはどうでしょうか。

成長すると、「あの時の心配がウソのよう」に、パクパク食べ始めます。

2019年3月 5日 (火)

親のペースと子どものペースは違う!②(14)

しつけを大別すると、「①生活の自立」と「②良い心をはぐくむ」があります。2つにわけて見てみましょう。

「①生活の自立」
指示や命令をされなくても、大人と同じように自分で生活ができることをいいます。たとえば…「起こされなくても自分で起きる、洋服の脱ぎ着、手を洗う、食事、トイレトレーニング…」などです。

「しつけ」というと、こちらを思いうかべる人は多いでしょう。


「②良い心をはぐくむ」
道徳教育、あるいは人格教育とも言われます。「心の成長をはぐくむ」と言ってもいいでしょう。

①と②を合わせて、家庭教育と言います。

ただ、家庭教育というと、戦後以降、「読み・書き・計算や知識の習得」に関心が高い傾向にあります。

「心の成長をはぐくむ(5つの基準)」ことをまったく知らない人も多いのではないでしょうか?

しかし、「②良い心をはぐくむ」ためのしつけは、人の上に立つときやリーダーシップをとるときに大切です。

何故なら…人の上に立ったとたん、人から厳しい目でリーダーとしての資質を見られるからです

いずれも、子どもにどう伝えればいいのでしょうか。

この項では、「親のペース」と「子どものペース」にわけて、2つの対応策を見てみましょう。

 

(1)親のペースでしつける

「命令、禁止・指示」などで子どもを親の言うとおりにさせる方法です。効率的で手っ取り早い方法です。

「しつけ」というと、こちらの方法を思いうかべる人は多いでしょう。しかし一方的で子どもの言い分を聞かないために、弊害が多いのもこの方法です。

親の力は強く、子どもは無力です。最後は親が勝つに決まっています。

しつけと称して、「無理やり親の言うことをきかせようと威圧的に強い口調で言う、感情的に叱る、にらむ、脅す、叩く、つねる」などの体罰があります。

そのうちエスカレートして体罰が暴力に、暴力が虐待になりかねません。

最近のニュースに親の虐待が多いのも、しつけと混同している親ごさんが多いのではないでしょうか。

この方法は、子ども側からみると、親からやらされている感が強く、一方的な扱いを受けている思いが残ります。

自分の欲求にブレーキをかけることが多く、欲求が抑圧されたり、表面上は親の言うとおりにいい子のように従っていますが、内心反発したり、親に憎悪がめばえたり、トラウマになるのもこの方法です。

親から抑圧的に言うことを聞くよう強要されていると、今度は自分より弱い友達や小さい子どもに強い口調で言うことをきかせたり、暴力で人を動かそうとする子どもが出てくるかもしれません。

極端ですが、小学校の校庭で小動物がいじめられたり殺されているのは、こういうことが背景にあることが考えられます。

この方法は、親が自分自身へのコントロールが必要であり、慎重さが必要です。(第4:怒らない子育て参照)

 

 

(2)子どものペースでしつける

子どもの言うとおりにして育てる方法です。

「自由にのびのびと育てる」と言ったら聞こえはいいですが、「放任で育てる」という言い方もできます。将来人に対して非礼、無礼なことをして困ることが起きる可能性があります。

また、「勉強だけしていればいいのよ」と、「②良い心をはぐくむ」ことをおろそかにしていると、たとえば、偏差値の高い有名な大学を卒業した青年が少女を監禁したり、強姦する事件がニュースになり驚かされる事件が起こったりします。

頭の良いケダモノのような青年が多くなっているのも、「②良い心をはぐくむ」子育てがおろそかになっている背景があるのではないでしょうか。


 子どもの自発的な欲求を大切にしながら、「①子どもの生活の自立」と「②良い心をはぐくむ」を身につけるにはどうすればいいのでしょうか。

次項(15)「第1反抗期まで」、(16)「第1反抗期以降」の2つにわけて、さらに詳しく見てみましょう。

2019年2月16日 (土)

長所を伸ばす(補足)

すべてのものには、裏と表があります。

裏があれば表があり、表があれば裏があります。

このように、「裏と表」はセットと言ってもいいでしょう。

同じように、人間の性格も、長所と短所があります。

この性格は、生まれたときから、人それぞれです。
同じお父さんとお母さんから生まれても、きょうだいの性格は、全然違いますよね。

この子どもの性格は、自我が発達してくる第1反抗期(ヤダヤダ期)頃から、よくわかるようになります。

あなたのお子さんの長所と短所を、3つくらい思い描いてみて下さい。

長所(   )、(   )、(   )

短所(   )、(   )、(   )

ただ・・・
短所は、短所と思っているお父さんやお母さんの思い込みのことがあります。

ですから・・・
短所を長所に置き換えてみましょう。

たとえば・・・
「大人しい」 ⇒ 「感受性が豊か」

「落ち着きがない」 ⇒ 「行動的」

「人の気持ちに鈍感」 ⇒ 「活発」

このような短所を見て、「あの子の○○の短所をどうにかしなければいけない」と思うのではなく、長所を見ることによって、短所はなるべく出ないようにすることができます。

すると、長所を伸ばすことができるようになります。


性格は、その子の個性です。

「ひと1倍敏感だったり、ひと1倍育てにくかったり・・・」という子ども達も、個性が強いだけです。

「良い・悪い」ではありません。

子ども達は日本の国の宝です。

その子ども達の個性を大切にしましょう。

そして・・・

長所を認めて、どんどん積極的に伸ばしてあげましょう。

2019年2月12日 (火)

良い心をはぐくむ5つの基準を知る(13)

良い心をはぐくむ基準は、5つあります。

「仁・義・礼・智・信」の心です。ひとつひとつ見ていきましょう。

(1)「仁の心」

仁の心は、一言でいうと思いやりです。人に優しく相手の気持ちを大切にする心です。

「己れの欲せざる所は、人に施すことなかれ(論語)」

この言葉は、自分が「イヤだな」と思うことは、人もイヤだと思います。「人がイヤだと思うことは、してはいけないよ」と教えてあげましょう。

もともと、子どもは自分中心に行動します。経験しないと人の気持ちはわかりません。

「そんなことをすると、〇〇ちゃんはこんな気持ちになるよ」と言ったり、「〇〇ちゃんはどう思っているんだろうね?」と質問して考えさせましょう。

そうすると、少しづつ人の気持ちがわかるようになります。

人の気持ちにたいしては、「敏感・鈍感」という個人差があります。
(良い・悪いではありません)


人の気持ちに疎い子どもには、意識して「人間には心があるんだよ」と教えてあげましょう。

人の気持ちがわからずに自分勝手なことをし続けていると、嫌がられて人が集まってきません。

いずれ、ひとりぽっちになって淋しい思いをするのは自分です。

さらに、困っている人、弱い立場の人、年下の人の気持ちを尊重してあげると、その人たちから慕われます。

この「仁の心」は、将来、人の上に立つときに大切な心です。



(2)「義の心」

義の心は、良い悪いの判断ができる心です。

ルールや約束を守ると、「○○ちゃんは安心、まかせられる」と、人からも信頼されます。

反対に、ずるい行動や不正なことや意地悪をしていると、人から信頼されなくなります。

たとえば、一緒に遊んでいてルールを破る友達がいると、その遊びを続ける気が起こらなくなりますね。

「困った人の気持ちがわかる」、「人の喜ぶことをする」と人から好かれます。

自分も人の喜ぶ顔を見て気持ちよくなります。

「義の心」で一番大切なことは、「命」です。

最近はゲーム上で、架空とはいえ簡単に人を殺せます。

以前、事件を起こした子どもに、「どうしてそんなことをしたの?」と聞くと、「だって殺したくなったんだもの」と答えて、驚ろかされた事件がありました。

自分の命も人の命も一番大切です。

しっかり教えてあげましょう。


(3)「礼の心」


礼の心は、人と人との間をとりもつ潤滑油です。

人は動物ですから、当然闘争心や競争心があります。そのぎすぎすした人間の心に配慮したものが「あいさつ」です。

「おはよう、こんにちは、おやすみ、さようなら」。こういった挨拶をするだけで、人間関係がスムーズにいきます。挨拶ができるだけでかわいがられ親しまれ、良い関係が築けます。「礼を尽くす」ともいいますね。

お世話になったら、「ありがとう」と感謝の言葉を言いましょう。感謝をされると、またお世話をしようという気になります。

私たちは
1人では生きていけません。

持ちつ持たれつで多くの人の助けをもらって生きています。「礼の心」は、人が生きる知恵です。



(4)「智の心」

智の心は、文字通り「学ぶ大切さ」です。

学ぶには、コツコツと繰り返し努力する強い意志が必要です。

「繰り返して物事を身につけて達成した」という経験は素晴らしい財産です。

それとともに、「まだまだ」という自反自省する謙虚な心も大切で、目標達成に欠かせません。



(5)「信の心」

最後は、「信の心」です。信頼ともいいます。

上記の「仁・義・礼・智」の4つの心を実践していると、周りの人からも自然と信頼されます。



子どもを育てることは、次世代の未来をつくることです。

地球上には、まだまだ、ならず者のような国があります。ならず者もたくさんいます。

表向きには、きれいな言葉で素晴らしいことを言っても、裏では、悪口や足の引っ張りや、人を見下したり、陥れようとするしたたかな人もいます。

困った人を見て喜ぶ人もいます。
困らせて喜ぶ人もいます。

こんな人は、心が幼稚な人です。


「仁・義・礼・智・信」は、昔からわが国でなじみのある言葉です。

この地球が、持続可能な生命体であり続けるには、成熟した我が国から、ぜひこれらの基準を、次世代に伝えてあげたいと思います。

*「仁・義・礼・智・信」は、中国の儒教で説く5つの徳目で、五常とも五徳とも言われています。

 

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