今は時代の変革期、知力と心と体力のバランスが大事(10)
IQという言葉をご存知でしょうか。
IQとは、Intelligence Quotientの略。日本語で言うと「知能指数」です。
IQの平均値は100で、130以上あると非常に優れていると言われています。
アインシュタインのIQは190、ゲーテが210あったと言われ、200あると天才と言われています。
このように知能指数が高いと、「頭の良い人なんだ」と思いますね。
そのため、IQを高めることに関心を持つ保護者は多くいます。IQを高めるためにさまざまな幼児教材があります。IQを取り入れた幼児教室、幼稚園もたくさんあります。
なぜなら、IQはある程度の訓練で高めることができるからです。
IQと同じように、偏差値を高めることに主眼をおいて経営をしている学習塾や学校があります。偏差値もIQと同じように、鍛えることにより伸ばすことができるからです。
IQや偏差値を高めれば、より有名な大学へ行くことが可能です。いわゆる偏差値教育ですね。
良い大学へ行くことにより、良い会社へ就職でき、高収入が得られる。するとよい人生が過ごせるといった黄金律(レール)にのせたい親が、これまで小さい頃からIQや偏差値を高める教育をしてきました。
しかし、東日本大震災をきっかけに、IQや偏差値を鍛えて良い大学へ行ったからといって、子どもが成功者や幸せになるとは思わない人も増えているのではないでしょうか。
東日本大震災は、これまでの時代の価値観を変えるキッカケになったのではと思います。
もちろん、学歴が高いに越したことはありません。
学歴が高く立派な人は、たくさんいらっしゃいます。
しかし、学歴やIQが高いから幸せとは限らないし、学歴やIQが低いから幸せになれないとは限りません。
人生は、学歴やIQでは決まらないのです。
幸せとは他者が決めることではなく、自分がどう思うか、どう満足するかということではないでしょうか。
そこで登場するのが、EQ(Emotional Quotient)です。
心の知能指数と言われています。
「EQ~こころの知能指数~」の著者ダニエル・ゴールマンは、EQを「自己肯定感・忍耐力・楽観性・共感性・協調性」で定義しています。
・うまくいかなくても自分を信じて忍耐づよく頑張れる力
・失敗しても悲観せず楽観的に自己コントロールできる力
・他人に共感できる能力、まわりの人と協調して一緒に仕事ができる能力
これらは、社会生活を営むときに欠かせない能力ばかりのようです。
戦後の子育てでは、学歴重視で、IQや偏差値を重視して子育てをしてきた人は多いと思います。
EQのように人間力をはぐくむことは、まったくといっていいほど忘れられがちです。そのせいか、現在、頭が良くても人間が育っていない子どもが多くいます。
子育ては、子どもが自立する15~20年先を見越して子育てをしているといっても過言ではありません。
まさに、自立までのサポートです。
これからは、IQのほかにもEQも意識して育てる必要があります。
そのためには、自分の取り扱い方法や心をはぐくみ育てる方法を知る必要があります。
次項では、心のことを見てみましょう。
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