« 良い心のほうが生きやすい(12) | トップページ | 長所を伸ばす(補足) »

2019年2月12日 (火)

良い心をはぐくむ5つの基準を知る(13)

良い心をはぐくむ基準は、5つあります。

「仁・義・礼・智・信」の心です。ひとつひとつ見ていきましょう。

(1)「仁の心」

仁の心は、一言でいうと思いやりです。人に優しく相手の気持ちを大切にする心です。

「己れの欲せざる所は、人に施すことなかれ(論語)」

この言葉は、自分が「イヤだな」と思うことは、人もイヤだと思います。「人がイヤだと思うことは、してはいけないよ」と教えてあげましょう。

もともと、子どもは自分中心に行動します。経験しないと人の気持ちはわかりません。

「そんなことをすると、〇〇ちゃんはこんな気持ちになるよ」と言ったり、「〇〇ちゃんはどう思っているんだろうね?」と質問して考えさせましょう。

そうすると、少しづつ人の気持ちがわかるようになります。

人の気持ちにたいしては、「敏感・鈍感」という個人差があります。
(良い・悪いではありません)


人の気持ちに疎い子どもには、意識して「人間には心があるんだよ」と教えてあげましょう。

人の気持ちがわからずに自分勝手なことをし続けていると、嫌がられて人が集まってきません。

いずれ、ひとりぽっちになって淋しい思いをするのは自分です。

さらに、困っている人、弱い立場の人、年下の人の気持ちを尊重してあげると、その人たちから慕われます。

この「仁の心」は、将来、人の上に立つときに大切な心です。



(2)「義の心」

義の心は、良い悪いの判断ができる心です。

ルールや約束を守ると、「○○ちゃんは安心、まかせられる」と、人からも信頼されます。

反対に、ずるい行動や不正なことや意地悪をしていると、人から信頼されなくなります。

たとえば、一緒に遊んでいてルールを破る友達がいると、その遊びを続ける気が起こらなくなりますね。

「困った人の気持ちがわかる」、「人の喜ぶことをする」と人から好かれます。

自分も人の喜ぶ顔を見て気持ちよくなります。

「義の心」で一番大切なことは、「命」です。

最近はゲーム上で、架空とはいえ簡単に人を殺せます。

以前、事件を起こした子どもに、「どうしてそんなことをしたの?」と聞くと、「だって殺したくなったんだもの」と答えて、驚ろかされた事件がありました。

自分の命も人の命も一番大切です。

しっかり教えてあげましょう。


(3)「礼の心」


礼の心は、人と人との間をとりもつ潤滑油です。

人は動物ですから、当然闘争心や競争心があります。そのぎすぎすした人間の心に配慮したものが「あいさつ」です。

「おはよう、こんにちは、おやすみ、さようなら」。こういった挨拶をするだけで、人間関係がスムーズにいきます。挨拶ができるだけでかわいがられ親しまれ、良い関係が築けます。「礼を尽くす」ともいいますね。

お世話になったら、「ありがとう」と感謝の言葉を言いましょう。感謝をされると、またお世話をしようという気になります。

私たちは
1人では生きていけません。

持ちつ持たれつで多くの人の助けをもらって生きています。「礼の心」は、人が生きる知恵です。



(4)「智の心」

智の心は、文字通り「学ぶ大切さ」です。

学ぶには、コツコツと繰り返し努力する強い意志が必要です。

「繰り返して物事を身につけて達成した」という経験は素晴らしい財産です。

それとともに、「まだまだ」という自反自省する謙虚な心も大切で、目標達成に欠かせません。



(5)「信の心」

最後は、「信の心」です。信頼ともいいます。

上記の「仁・義・礼・智」の4つの心を実践していると、周りの人からも自然と信頼されます。



子どもを育てることは、次世代の未来をつくることです。

地球上には、まだまだ、ならず者のような国があります。ならず者もたくさんいます。

表向きには、きれいな言葉で素晴らしいことを言っても、裏では、悪口や足の引っ張りや、人を見下したり、陥れようとするしたたかな人もいます。

困った人を見て喜ぶ人もいます。
困らせて喜ぶ人もいます。

こんな人は、心が幼稚な人です。


「仁・義・礼・智・信」は、昔からわが国でなじみのある言葉です。

この地球が、持続可能な生命体であり続けるには、成熟した我が国から、ぜひこれらの基準を、次世代に伝えてあげたいと思います。

*「仁・義・礼・智・信」は、中国の儒教で説く5つの徳目で、五常とも五徳とも言われています。

 

« 良い心のほうが生きやすい(12) | トップページ | 長所を伸ばす(補足) »

育児」カテゴリの記事