親の脳のクセ(その1)(29)
白い紙に黒い点が1つあると仮定しましょう。
1つしかない黒い点が気になる人はいませんか?
白いところはたくさんあるにもかかわらずです。
これは、私達の脳のクセです。
人間は、他人の黒い点(短所)が気になるようにできています。
とくに、身近な子ども・夫・親には厳しい目でチェックする傾向があります。
「〇〇ちゃんはこういう性格だから、〇〇に直したほうがいいよ」などと。
こういう指摘はあたっていることが多く、だからこそ言われるほうは、余計に「ムカッ」ときます。
「親心や我が子のためにと言ってくれている」と思えずに、ケンカになることもあります。
短所は自分でわかっていても、強く意識しないとなかなか直らないものです。
だからこそ、短所をなくすように求められると辛くなるのです。
「うるさく言わないでいてやろう」くらいでちょうどいいのです。
ピータードラッガーの著書「経営者の条件」には・・・
「短所をなくすようにエネルギーを使うより、長所を活かすようにエネルギーを注がないといけない」
「『できないことはなにか』ではなく、『できることは何か』を見るように自己統制するなら強みを活かすことができる」
と書かれています。
誰でも、長所も短所もあります。
長所半分、短所半分です。
短所と思っていたことが、長所だということもよくあります。
お子さんの短所と思われることを思い描いてみましょう。
そして、それを長所に置き換えてみましょう。
たとえば・・・
「引っ込み思案⇒慎重」
「乱暴⇒元気で活発」
「落ち着かない⇒好奇心が旺盛」
「行動が遅い⇒人の気持ちを尊重している」などです。
短所を見るのではなく、できるだけ子どもの長所を探して、長所を見るようにしましょう。
短所と思っている問題は、そう思っている親の問題であることが多いのです。
本来持って生まれたそのままの子どもの良いところを顕在化させてあげましょう。